理に適った姿勢をキープしている人というのは、胸鎖関節や股関節などカラダの各器官が滑らかに機能し動く。それは、カラダがやわらかいから柔軟性があるから、ということではなくカラダの各器官が機能する条件が整っていること。
構造動作トレーニングは、この条件を元に股割りなどの股関節トレーニングをおこなている。つまり、理に適った姿勢ならば股関節のフル可動が可能になるということ。逆に、この条件が整っていなければ思うような股関節トレーニングの効果が得られない、股関節運動を滑らかにトレーニングすることができないということになる。
姿勢や立ち方など実に様々な考え方を見聞きしてきたが、理論と実践を明確に示すことがほしかった。例えば、正しい姿勢は~、~に意識して、という姿勢や立ち方の先に股関節や胸鎖関節の可動域拡大などの明らかな目に見える形をもって納得したかった。
実際に理論と実践がとどこおりなく、つじつまがあうためには、姿勢や立ち方ということの奥深さを知ることになる。動かせない股関節は意識をしても動かせないこと。意識が利く範囲というのは条件が整っている範囲内でのこと。ずいぶんと姿勢やトレーニングに偏った思い込みがあったこと。など、股関節トレーニングを重ねてみて、はじめて実感することが多い。
故障や怪我でカラダの各器官の動きがぎこちない人も理論と実践のどちらかに偏っていないか見直してみるといいと思う。動きを滑らかに回復するに至る筋道が確実にあるのだ。もし、あらゆるアプローチをやり尽くしたと思って諦めてしまったのなら、まだまだ通ったことのない道があるかもしれないと考えてみるといい。
さて、重心位置の違いによる姿勢を並べてみた。
左から後重心(踵加重)、中間重心(足裏全体接地)、前重心(つま先加重)。
左から後重心(踵加重)、中間重心(足裏全体接地)、前重心(つま先加重)。
重心感覚のあるモデルさんだと比較がわかりやすい。
構造動作トレーニングでは、真ん中の中間重心(足裏全体接地)を指標(ニュートラル)として、動きを滑らかにするためのトレーニングやリハビリを行っている。左の後重心に慣れている人が中間重心で立つと「すごい前傾」「前重心」だといいます。これは、重心感覚のズレだと考え、感覚のズレを修正しながらトレーニングを進めていきます。
セミナー参加者や治療・レッスンを受けられている方は、この比較写真がわかりやすいのではないかと思います。ニュートラルで立つためには土台がそれに見合う状態にないとキープできません。趾の巧緻性を高めること、長趾屈筋・長母趾屈筋・後脛骨筋などの筋回復を進めること、さらにハムストリングス・外旋六筋など股関節運動に作用する筋を連動して収縮すること、足関節・膝関節・股関節の運動方向と足骨・下腿骨・大腿骨のアライメントを整えること、これらを踏まえてトレーニング、リハビリを進めてください。
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