歩くときは、踵の骨をどのように接地すればよいのだろうか?先日の、ウォーキング講座で参加者の方たちに、「踵をつく(接地)」とは、どのような認識なのか聞いてみた。すると、踵骨隆起を接地する人、踵骨隆起外側突起・内側突起を接地する人、考えたことがない人、あるいは、そもそも踵をつかない人まで、様々だった。
▲日本人体解剖学 金子丑之助著
踵骨は、calcaneusu(=os calcis)という。calx生灰石よりきた語で古代人は白堊に似ていると考えた。(日本人体解剖学金子丑之助著)白堊とは、 土質石灰石。貝がらなどから成る柔らかい白色の土。白墨の原料、白壁の塗料などになる。 白壁の意味。
踵の漢字の意味は、 かかと。くびす。きびす。 ふむ。 つぐ。ひきつぐ。 いた(至)る。おもむく。
実は、踵骨には旧名がある。それは、跟骨という。跟の漢字の意味は、 くびす。きびす。かかと。したがう。人のあとについていく。
どうして、白堊の意味から踵の漢字になったのかわからないが、多くの人は、「足+重」からのイメージか、あるいは、「ふむ」の意味からなのか、踵に体重をかけて踵骨を変形させたり、足底筋膜炎など不調をきたしている。
人以外の動物は、踵をつけて歩かない、走らない。足を施術していると、過剰に負荷をかけて踵が肥厚している人が多い、そして足のコントロールを鈍らせている。私は、旧名「跟骨」の「人のあとについていく」意味で捉えた方がよいのではないかと考えている。