治療院に来院される方の中には食生活について伺うと野菜中心の方が多くいらっしゃいます。野菜中心の食生活をしてみえる方たちは健康意識が高いのだと思います。私も若い頃は暴飲、暴食をしていましたが、肉よりも魚を好むようになりました。私はその時々で食べたいもの、特に好き嫌いはありませんので出されたものを食べ、今は夜一食とお風呂上りの晩酌いうのが定番で、本当にたまにモーニング、ランチは月に3~4回いただきますが、基本的には朝昼食事をすると眠くなり仕事に影響するといけませんので、治療院を始めてからは、ほぼそのような食生活をしています。

野菜中心の食生活をされていてもお通じが良くないという方がけっこういらっしゃいます。 私は自身の食生活については気にしたことはありませんが、毎朝通じがあるのがあたりまえだと思っていました。鍼灸の勉強をして国家資格をとってから、腹診を勉強するようになって、便秘の人のお腹は冷たく、硬いことがわかるようになりました。東洋医学では、「平人無病の腹」といって、健康な人の腹は、腹部全体が温かく、適度な潤いがあって、硬からず軟らかからず、ちょうどつきたての餅のようであり、また上腹部が平らで臍下がふっくらして、手応えのあるのが良いとされています。
また、食事の後に通じがある場合は、宿便が押し出されているようで、常に便が蓄積しているような印象があります。腰痛の治療で来院された方が、腰が良くなってからダイエットも何もしていないのにスリムになったと驚かれる方がみえます。これは、腰の可動域が戻るとともにお腹の位置が修正されたのだと思います。お腹の位置というのは、胸郭、腰椎、骨盤の骨格位置、胃、小腸、大腸の位置が定位置に収まっていて「平人無病の腹」が理想になります。慢性的に腰痛がある場合はこれらの位置が定位置に収まっておらず、便がキロ単位で蓄積されていることがありますので、スッキリするのだと思います。このような場合は、食物繊維を摂取するだけでは難しい印象があります。

▲東洋医学概論(按摩、マッサージ、指圧編)指圧手技
東洋医学の臨床では、腹部に対するアプローチの方法が多数あります。鍼、灸、あん摩、マッサージ、指圧、それぞれに手法があります。私は、胸郭、腰椎、骨盤の位置を定位置に収めることが大切だと考えています。そのために治療院では牧神の蹄に乗って足元から骨格を安定できるようにし、腹腰の位置を定位置に収めることができるようにしていきます。それでも、お通じの調子が良くない人にはお腹の位置を整えます、食事を気を付けるだけのではなく、姿勢、運動のバランスが大切だと思います。
