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Channel: 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座
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野球肩の治療方法

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腕を大きく振る動作を繰り返すスポーツでは、関節包や肩関節に付着する腱や筋肉あるいは骨を損傷することがあります。今回は、肩が痛み、疲労が抜けないということで田阪先生が治療に来院されました。先生は、野球経験者で肩や肘の痛みを繰り返しながら歳を重ね、状態はフローズンショルダーのような感じでした。若い頃は、投げることができていたオーバースローでも、故障を繰り返す度、また歳と共にボールを投げ下ろすことができなくなっていくそうです。

 

 
野球肩のように腕を大きく振る動作を繰り返すスポーツで、肩や肘に負担をかけてしまう原因は、人それぞれです。同じような投球動作をしていても、各関節の可動域、重心移動の質、故障経験などが、異なるのでその人に合わせて原因を探っていかなければなりません。先日の東京教室「股割り」に参加された後は、体の調子が良かったそうなので、運動不足と血行不良がベースにあり、各関節が重心を円滑に運べない状態になっていることが原因と考えられます。徒手検査で脚の各関節運動の方向が揃っていないことが確認できたので、大腰筋までの関節の連動を回復しました。人の体というのは各部位が複雑かつ絶妙にバランスを取り合っています。表面上のバランスを整えることで、ある程度の肩関節の自由度を取りもどすことができますが、度々、肩や肘を故障されるので、どこまでできるかわかりませんが過去の故障の記憶までアプローチを試みてみました。
 
 
このアプローチの方法は、肩関節の動きをみながらそれぞれの筋肉を戻していくような細かな作業になります。まずは、ベースとなる血液循環の確保です。胸、腋窩の腕神経叢や動静脈を解放していきます。
 
▲解剖学アトラス 越智淳三=訳
 
つづいては、頚部の血液循環を確保します。頚部前面の頚神経叢、動静脈を解放していきます。
 
▲解剖学アトラス 越智淳三=訳
 
そして、それぞれの筋肉が投球動作で作用する状態へ戻していきます。胸鎖乳突筋、僧帽筋、肩甲挙筋、ローテーターカフ。
 
▲解剖学アトラス 越智淳三=訳
 
肩の動き方が刻一刻と変わりますので、その時々、アプローチが必要な筋肉を見定め戻していきます。三角筋、大胸筋、上腕二頭筋、小胸筋。
 
▲解剖学アトラス 越智淳三=訳
 
どの程度、過去の故障の記憶を辿れたのかわかりませんが、腕を振るときの力感がかなり減少したので治療を終了しました。投球動作は四肢が円滑に連動しなければなりません。牧神の蹄を4つならべて脛を立てながら足を添わせる課題を出しましたが、脛を立てることがキツイいようです。 数日後、連絡がありました。「体は絶好調で、今までできなかったバスケットボールの動きがあっさりできて、ビックリ。ありがとうございました。」部活動でバスケットボールの指導にあたられたのでしょうか、どのくらい過去へ辿れたのかわかりませんが、年齢に関係なくまだまだ動きを取り戻せそうです。
 
 

 
 
 
 

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