五月の構造動作トレーニング・東京教室「構造動作トレーニング入門」 は、体の各パーツの機能を回復し、自分の思い通りに体をコントロールできる状態にすることを目的にワークをおこないました。
構造動作トレーニングで、一番に身に付けたい感覚は、固有感覚です。固有感覚は、体の内部を流れる無意識の感覚の流れですので、トレーニングの目的を明確にして行わないと身に付きません。体をやわらかくする、筋肉をつける、といった、漠然とした目的では難しく、深部感覚のペアワークのように、具体的な骨格の強度を実感し(重量覚、位置覚)、その良質な感覚を重ねて、実体にしていくことが必要です。
深部感覚ペアワークは、骨が力学的に最も強度を発揮するポジションで、相手から重さを借りて、その骨の強度を実感します。重さを借りる側は、良質な感覚を重ねて、そのポジションを身に付けていきます。重さを貸す側は、腕の力に頼らず、自分の体の重さを相手に移すようにします。これは、体重を乗せる、体重を預けるなどと表現します。実は、重さを貸す側の体の使い方を養うトレーニングにもなります。固有感覚が備わると、相手の骨格が手の接触面を通してわかるようになってきます。そうすると、力の伝え方、力の強度の調節など、体をコントロールすることを意識でき、より繊細に自分の体の内部を観れるようになります。深部感覚ペアワークは、両者にとって良質な固有感覚のトレーニングになりえるのです。
一般的に体は、硬い、よりも、やわらかい、方がよいようなイメージがあります。このようなイメージは、漠然としています。固有感覚を備えた体で、各関節をより広い可動域でコントロールできる状態がよいと私は考えています。構造動作トレーニングを取り組んでいる元気で活発なシニアの方たちを見ていても、そのように感じます。