12月の構造動作トレーニング・東京教室のこと。
講座が終了して、新幹線で帰路の途につく。スマホにメッセージが入る。それは、構造動作入門の参加者からだった。何でも彼女の体の中に、骨が生まれた、とのこと。これは、構造動作トレーニングで身に付ける、姿勢の中に骨を入れる、ということだ。この姿勢が身に付くと、立つこと、動くことが身軽になる。そうすると、これまで余分な筋力で体を支えていたことに気づく。余分な筋力を使い続けていれば、当然、疲労しやすく、動き辛い。身に付いて、初めてわかる感覚。ここからが、股関節トレーニングのはじまり。
構造動作トレーニングは、実践で使える股関節の可動域を広げる目的で、骨格位置、関節運動の方向、筋肉の作用、固有感覚、重心移動の5つの要素を踏まえ、股関節をピンポイントで狙ってトレーニングをする。
結局、股関節をターゲットにすることは、全身の身体開発をすることになる。頭の天辺から指先までの運動と感覚の循環を良好にして、神経系統を構築する。体の中の変化に意識が通るようになると、効果的なトレーニングができるようになる。すると、身体開発は加速する。
体の中の変化に意識が通る。それは、世界観が変わる瞬間。自分が体の中を変えることのできる能力を手に入れたのではないかと、錯覚する。しかし、その錯覚は一瞬で現実に戻され、積み重ねのトレーニングが必要なのだということを再確認する。
だが、そこに自分しか知らない内なる世界が広がる。わずかに股関節の可動域が広がっても、誰も気づかないが、自分の体の中で現実に起こっている大いなる変化。喜ばずにはいられない。誰も気づかない大いなる変化。しかし、積み重ねていけば、他に影響を及ぼす変化へと成長する。
何事も掘り進めれば深みは増す。体のことに関しては、底が知れない。もしかしたら底は無いのかもしれない。だからこそ、喜ばずにはいられない。
12月の東京教室