10月も半ば過ぎすっかり秋が深まっているというのに、最後のツクツクボウシがまだ頑張って鳴いている。遠くでは雄鹿がメスを求めて叫んでいる。実りの秋、リス、猿、鹿、狸などの獣に出くわす機会が増えた。
春先から調整をしてきた接地のイメージが、このところ納得いくできになりつつある。それは、おそらく私の足の所有感覚が育ってきたからだと思う。長い間、足の親指の疲労骨折をリハビリをせずに放置してきたことで接地感覚が鈍感になっていた。もし、親指の所有感覚を取り戻していなければ、地面を確実に捉えてはいないと、気付くことはなかったに違いない。足でからだを支える度に接地を繰り返しているが、こんなにも質が違うのかと思い知らされる。しかし、獣たちの身軽な動きをみていると質というものが果てしないものに思える。とはいえ、一日一日がわずかな変化だったとしても自分がステップアップすることはやめられない。

さて、足の所有感覚が育ってきたというのは感覚や運動といった機能面が良くなってきたということ。たとえば、これまで動いていなかった筋肉が動くようになる。これは、ただ我武者羅に運動したとしてもその筋肉が動くようにならない。動いていない筋肉が動くための運動をしなければ、筋肉痛や関節痛になるだけだ。筋肉の起始停止部を整え、所有感覚を高める運動を心がけたい。

山は秋真っ盛り、しっかり楽しみたい!
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