先日は自身のランニングフォームの修正に取り組む陸上競技指導者fujitaさんの個人指導をおこなった。fujitaさんの話の中で最も印象に残っているのは、100㎞マラソンの自己ベストが7時間ジャストだということだ。私は100㎞マラソンがどのくらいのものなのか知らなかったので驚いたが、後から世界記録は6時間台だと聞いて、上には上があるものだと思った記憶がある。fujitaさんが構造動作トレーニングのセミナーに参加されるようになってからは、ランニングの専門的なことはfujitaさんに教えていただいている。
ちなみに42.195㎞フルマラソンの世界記録保持者はエリウド・キプチョゲ選手(ケニア)。彼は非公認レースだが、サブ2を成功させている。現時点で理想のランニングフォームとして私の動作解析の指標にしている。
個人指導はあくまでもfujitaさんの体の状態を把握するためのもので、ランニングフォームの修正に役立ててもらえればと考えていた。重心位置と関節運動の感覚をfujitaさんとキャッチボールしながら体の状態を観ていく流れで施術は行わず、感覚のキャッチボールには徒手検査と運動療法をもちいた。
半世紀も陸上競技の世界でランニングフォームを追及している人が、どのような体の状態なのか、私はとても興味があった。結果、現役選手時代の様々な指導、その後の様々な学びが、体を複雑にしているようにみえた。体が複雑化している原因には運動基礎感覚のズレがある。これはトップランナーでも自身で気づくことは難しく、故障やパフォーマンス低下の原因になっていることが多い。今回、fujitaさんのランニングフォームの修正を難しくしている運動基礎感覚のズレを確認できた。また、本人も自分もそのズレを自覚でき、今後の自身のトレーニング及び、陸上の指導に役立てることができそうだということで、よかったと思う。

fujitaさん曰く、「股関節の動きはランニングにとって非常に重要だと思っていますが、一般的にはあまり認識されていないように思います。正しい動かし方を学び、動きのトレーニングとして取り入れる必要があると感じています。 」。