私は最も効果的に股関節の動きを滑らかにする方法を見極めるために、股割りをトレーニング素材として実践研究をして、今年でかれこれ21年目になります。トレーニングを開始した当時からみると、股関節のメカニズムの理解と実感がずいぶん進展しました。まだ、これで完結というところまでは、達成していませんが、必要としている方の力になれるよう一層励みたいと思います!
さて、股関節の屈曲は開脚前屈の際に足を外転外旋で固定して、骨盤の恥骨結節、下腹、お臍の順で床に接触しておこないます。開脚前屈において、これは重要なポイントなのですが、股関節を屈曲するということが本当に難しいと思います。股関節がやわらかい人をたくさんみてきましたが、そのほとんどが股関節の屈曲ができません。股関節の屈曲ができない、というのは、足を外転外旋で固定できない、体幹を保持できず下部腰椎、仙骨がポッコリ、盛り上がり、屈曲が不十分な開脚前屈姿勢になってしまっています。それでも、足抜きができた方が、かっこいいからと、股関節の屈曲が不十分な状態で、足を抜いてしまうと、ある一定角度にくると逃がす癖がついてしまいます。とりあえず、やわらかくなりたい、という目的ならば、それでよいのでしょう。
しかし、股関節をコントロールできるようにすることが目的ならば、きちんと股関節の屈曲をできるようにしなければなりません。なぜならば、股関節の屈曲が不十分では、動作のキレになる内外旋の切り替えが発動しないからです。股関節の屈曲が不十分なままの足抜きは、内外旋の切り返しがありません。ストレッチで開脚足抜きの癖をつけてしまった場合は、筋肉を収縮して関節運動に作用する状態へリハビリしなければなりません。骨格の配列、関節の運動方向、重心の円滑な軌道、これらを修正し、正しく筋肉が作用する状態にしましょう。
【足抜き】開脚ストレッチに注意
How I Learned The Full Splits in 20 Years